「愛情の深さって、
女性はいつから変わってしまうんだろう」
仕事帰りの夜道、
ふとそんなことを考えた。
曖昧な関係の彼と、
久しぶりに二人で出かけた日。
車の助手席。
隣に座る距離は、
こんなに目と鼻の先なのに、
お互いに触れているわけじゃない。
でも。
手が触れるか、触れないか。
その絶妙な距離感が、
なぜか一番ドキドキする。
会話は不思議なくらい心地よくて、
テンポよく、
自然に加速していく。
言葉にしなくても伝わる、
二人の空気。
その中で「好き」という感情が、
私のなかで少しずつ、
確かな形を持ちはじめる。
……ふとした瞬間、
思いきって彼の手を握ってみた。
一瞬の沈黙。
心臓が跳ねる。
だけど彼は、その手を、
ゆっくりとぎゅっと握り返してくれた。
胸の奥が、
じんわりと熱く満たされていく感覚。
「あぁ、この一瞬のために、私は恋をしているのかもしれない」
そう思えるくらい、あれは私にとって、
間違いなく恋愛のクライマックスだった。
自分の心の声に、
そっと耳を傾けてみる。
「私は本当は、
何を求めているんだろう」
そんな独り言を、
心の中でつぶやきながら。
あの瞬間の、
世界が味方してくれたような満たされ方は、
今でも上手く言葉にできない。
それなのに。
その後の日々は、
驚くほど静かに過ぎていく。
ただ、待っているだけの時間。
スマホを見つめて、
連絡を待つ夜。
会っているときは、
恋人としての愛情も、
ちゃんと感じているはず。
やっと会えた日は、
彼はすごく優しい。
大事にされている、はず。
なのに。
心の奥の小さな穴が、
なぜか空いたまま、埋まらない。
「私は、ちゃんと愛されている」
それとも、
お互いに傷つかない曖昧な関係に、
ただ安心してしまっているだけ。
20代、30代になると、
恋愛はときめきだけじゃ続かない。
でもだからって、
ときめきを我慢し続ける恋も、
絶対に何かが違う。
あの日、
彼が手を握り返してくれた瞬間を、
この恋のピーク(終着点)にしないために。
私たちは、
自分の本音から、
もう目を逸らしちゃいけないのかもしれない。
心が満たされない本当の理由は、
彼の手格好のせいじゃなくて。
「曖昧なままでいいや」って、
自分に言い聞かせている、
私自身の諦めのせいかもしれないから。
恋をしているのに、
どこか満たされない。
それはね、
あなたのわがままじゃないし、
感情が浅いからでもありません。
むしろね、
あなたの「愛情の深さ」が、
大人の女性へと変わってきた大切な証拠。
20代、30代の今だからこそ、
「都合のいい綺麗ごと」で誤魔化さず、
自分の心の声を、
いちばん大切にしてあげていい。
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