かつては、
彼女、今の妻が、私の心の拠り所だった。
仕事で疲れた日も、
うまくいかないことがあった日も、
「おかえり」の一言で救われていた。
一緒にいるだけで安心できて、
手をつなぐだけで胸が高鳴っていた頃が、
確かにあった。
今はどうだろう。
家はある。
近所付き合いは正直ちょっと面倒だけど、
子どもは可愛くて、
毎日は“ちゃんと”回っている。
世間から見れば、
十分すぎるほど幸せな家庭なのだと思う。
でも、ふとした瞬間に思う。
妻に対する、
恋愛感情や、ときめきは、
いつから影を潜めてしまったんだろう、と。
嫌いになったわけじゃない。
不満が爆発しているわけでもない。
ただ「足りない」、
そんな感覚だけが、静かに心の奥に残っている。
昔は、
ただ会うだけで嬉しくて、
何時間でも話せて、
お互いのペースを大切にできる恋をしていた。
今は、
スケジュールを合わせて、役割をこなして、
“家族”として正しく生きている。
それはそれで尊い。
でも私は、
もう一度、マイペースな恋愛がしたい
そう思ってしまう自分を、否定できなかった。
「もう無理だよね」・「今さら何を言ってるんだろう」
そう思う日も、正直たくさんある。
それでも、人生はまだ長い。
これから先、
どんな出来事が待っているのかなんて、
誰にもわからない。
幸せなはずなのに、なぜか満たされない。
その感覚に気づけたなら、
焦らなくていい。
自分の気持ちをちゃんとわかってくることが、
きっと次の一歩につながるから。
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