元カレとカヌチュロ、どっちが甘かった?

konnkatu

—失恋した日、心を癒してくれたのはスイーツだった—
別れ話をしたあの日。
駅前のベンチにひとり、ぼーっと座り込んでた。
スマホは通知が来る気配もなくて、なんだか現実だけが静かに続いてた。
私たち、付き合って1年と3ヶ月。
最初は「運命かも」なんて思ったけど、いつからかすれ違って、
最後は私が「もう無理かもね」って言った。

その帰り道、ふと目に入ったのが、あのカフェ。
付き合い始めた頃、よく行ってた。
でも今日は、彼じゃなくて、私ひとり。
注文したのは、新作の「カヌチュロ」。
チュロスみたいな形のカヌレで、外はカリッ、中はもっちり。
チョコとキャラメルがたっぷりかかってて、見た目も甘さも“ズルいくらい”可愛い。
ひと口食べた瞬間、
「あ、これ、やばい」って思った。
涙止まらないのに、カヌチュロの甘さがじんわり心に沁みてきた。
元カレがくれた甘さは、最初だけだった。
でも、このスイーツの甘さは、最後まで優しかった。
なんか…その違いが、今の私にはハッキリわかった。

恋って、楽しいけど苦しい。
でも、スイーツは裏切らない。
そう思ったら、ちょっと笑えた。
たぶん、また恋をして、また泣くこともあると思う。
だけど私は、泣いた日の帰り道にはスイーツを選ぶって決めた。
「甘さ」は、私を裏切らないから。
カヌチュロ、ありがとう。あなたの甘さに、今日は救われたよ。

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